清水焼について

 自然の美しさや季節の移ろいを豊かに表現する日本料理において、うつわは料理と同じほどに大きな意味を持っています。料理はもちろん季節や場にあわせて、異なる色、形、手触りを持ったうつわを選ぶ。そしてそれらが見事に調和してこそ、日本料理はその美しさを極めます。まさにうつわは日本料理の一部だと言えるでしょう。
 古くから日本料理や茶道の中心地であった京都において、うつわもまた類まれなる発展を遂げました。巧緻な絵付けが隅々にまで施されたもの、大胆な釉薬の重なりが自然の雄大さを感じさせるも、思いがけない絵柄や色の組み合わせが想像力を掻き立てるもの――。目の肥えた京都の町衆や料理人、茶人の多様な要望に応えるべく、職人たちは自らの手でろくろをひき、技と知恵を惜しみなく注ぎ込んで、さまざまな表情を持った陶磁器を創り出してきました。またそれは同時に、窯を何度も行き来させながらいくつもの工程を重ねて独自の生産形態も築き上げてきいきました。
 こうして生まれた京都独自の陶磁器は「京焼・清水焼」と呼ばれ、国より伝統的工芸品指定を受けるとともに、現在も広く日本の料理風景を華やかに彩っています。